8月8日(月) |
写真1 | 去るゴールデンウィークに全体塗装などの整備を行なった紋別市渚滑駅跡の69644号機(写真1)ですが、残念ながら天候不順のために完全に仕上げられなかった部分があちこちにありました。 具体的には、機関車の助士側ランボード上の一部や動輪のスポーク回り、ボイラの安全弁・発電機や運転室付近の入り組んだ箇所、そして炭水車の炭庫および取水口周辺、さらに炭水車前面などで、雨が降って塗装面が濡れてしまったりはたまた水溜まりが出来てしまったりなどして、時間切れとなった部分です。(写真2〜4)
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今年も夏休みを利用した北海道旅行に時期を合わせて、以上の未完成箇所をできるだけ仕上げてしまうべく作業を計画しました。
8月8日(月)の夕方に紋別入りしました。天候は快晴に近く、気温も本州並みに高くてゴールデンウィークの時とは全く違いました。3ヶ月ぶりに見た現車には、幸い大きな変化もなかったのですが、季節柄クモの巣が数え切れないくらいあちこちに張られています。
ゴールデンウィークに使い残した塗料を市立博物館殿で預かって頂いていたのですが、今日は月曜で博物館が休館のため、取り敢えずは機関車によじ登ってクモの巣払いをしておき、さらに明日の作業に備えて近所のホームセンターに行って資材を買い込んでおきます。それにしてもクモの巣が多いなぁ...。本日の宿は保存場所の目の前にある、ライダーハウス「はたの食堂」でお世話になります。
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写真2
写真3
写真4
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8月9日(火) |
翌9日(火)朝、博物館殿に挨拶に伺い、資材を受取ります。今回の作業は塗装だけの予定ではありますが、それでも塗料4kg缶が3個の他にシンナーなどもあるため、またまた博物館殿のお手を煩わせて現地まで運んで頂きました。
早速作業に掛かります。(写真5) まず、一番大きい面積を占める炭庫内に赤錆色の上塗りを行います。使用する塗料はシリコン変性アルキッドです。平面ばかりなのでローラーを使うべきなのですが、ハケで塗ってゆきます。この部分はゴールデンウィークの際に下塗りまで完了させたのですが、凹みがある所はどうしても雨が降ると水溜まりになってしまうようで、早くも錆が発生しています。(写真6) 従って、できるだけ塗膜が厚くなるように心がけて塗っていきます。(写真7) 次いで取水口周囲を黒で塗装します。(写真8) ここまで済ませたところでお昼になりましたが、今日もとにかく天気が良くて日差しが強烈で、汗だくになってしまいます。博物館殿から飲み物の差し入れも頂いたのですが瞬く間に飲み干してしまい、何度も近くの自動販売機へ往復することになりました。暑い〜!!
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写真5
写真6
写真7
写真8
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炭水車上部の塗装が完成したので、次に各部のタッチアップを行なっていきます。間近で見ると思っていた以上に未塗装の部分が残っており、加えて下地に赤を使ったために上塗りの黒が薄い部分も、下地が透けていてとても目立ちます。本来なら電動塗装機を使って吹き付け塗装を行なうと早いのですが、旅行中ということもあって工具類がほとんどないため、頑張ってハケ塗りで片付けてゆきます。しかしやはり完全に仕上がったという訳にはいかなかったのが残念でした。目に付いた所は手当たり次第にタッチアップしてゆくのですが、朝・昼ご飯抜きで炎天下の中、機関車に登ったり降りたりの作業を繰り返していたため、夕刻前には完全にバテてしまいました。日頃の運動不足がこういう時に覿面です^^。19:00になって作業を終え、今回も博物館の方からお招き頂いて夕食をご馳走になりました。冷えたビールがおいしかった〜!当初は今日一日で完成させるつもりでしたが、結局やり残しができたこともあってもう一晩滞在することになりました。
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写真9
写真10
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8月10日(水) |
写真11 | 10日(水)、残りの作業を始めます。車輪のタイヤズレ止メ確認用の白線は、前回動輪だけしか入れられなかったのですが、今回は残っていた先輪、炭水車車輪にも入れておきます。(写真9) また、缶胴被いからボイラ火室が見える部分には赤錆色を入れます。(写真10) 運転室内部は今回も手入れができなかったので次回の宿題ということになりましたが、この3ヶ月の間にも結構雨が吹き込んだ跡があり、前回はやまてつさんに修復して頂いた座席に雨避け用のビニールシートをかぶせておきましたが、今回は肘掛けにも同様に処置をしておきました。(写真11)
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写真12 | なかなか一気に完成までこぎつけられないのですが、少しづつではあっても機関車がキレイになってゆくのは大変やりがいがあってまたとても嬉しいものです。今回も市立博物館殿を初め、隣接のパークゴルフ場に来ている人々、さらに旅行中に本機を見学に訪れた方々からも作業に対する暖かい声を頂きました。心からの励みになると共に苦労も報われ、より一層69644号機への愛着を持つことができました。本当に有難いことです。(写真12)
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