ぎらりと輝く

「69644」お掃除の報告2005年9月 

りんごちゃん

 機関車のことなど何も知らない私が「69644」機関車を見たいがために、ある日突然チケットを握り締め紋別へ飛びました。何かお手伝いしたなぁ、そんな私の突然の申し出を快く受け入れてくれて、時間がなかったにも関わらず、丁寧に解り易い資料まで作成してくれたこと、何から何までご面倒、ご迷惑、ご心配をお掛け致しました。初めてのお掃除、何をどうすればよいのか、何が出来るのか、と不安でいっぱいでしたが、本当に簡単な拭いたり、掃いたり、磨いたり、そんなお掃除をしました。
一日目(9月23日(金)) 紋別着、曇りのち雨 気温19度
 市立博物館へ伺い、担当者の方とお会いして今回の作業の報告をして鍵をお借りしました。
問題になっているアスベストは全て除去された、と伺いました。レンタサイクルも借り、SL広場へ向かう。途中ホームセンターにて必要なものを全部買い揃えました。
 「69644専用」として必要と思われるものを缶に入れてお持ちしました。 他にはゴム手、軍手、ボロ布、マジック、メモ帳、クリップ、折りたたみ傘などが缶の中に入っておりますので、どうぞご自由にお使い下さい。乗務員席下へ保管。 今日の作業はクモの巣払いと周辺のお掃除、 デッキの上を拭き、ヘラで気になるこびりついた錆の塊を除去しました。 運転室内天井を箒でクモの巣払いをしましたら、錆と天井板がボロッと落ちて来ました。「ゴメンナサイ」担当者へ報告済み
 クモの巣は至るところに大きく大きく威張るように張っておりました。
 夕方、市立博物館担当者の方が現場へ足を運んで頂き、オホーツクメロンを頂戴しました。お気遣いありがとうございます。
<感想>
 移動中雨が降って来まして思っていたよりも遠く、買い物に少し時間が掛かってしまいました。SL広場へ到着し69644を見た時、広大な敷地の中にポツンと佇む姿が何だか小さく淋しそうに見えました。水滴を拭いてあげると、まだまだ艶があり、塗装も細部まで丹念に綺麗に塗られていつもの精悍な姿に甦りカッコイイと惚れ惚れしました。
夜は久し振りの再会を兼ねて、デッキの上で星空を見ながらひとり楽しく過ごしました。何だかとっても気持ち良い、機関車の懐に包まれているようで・・・

二日目(9月24日(土) 快晴 気温21度
今日は一日中、思いっきり作業が出来ると張り切ってしまいました。朝・昼・晩とクモの巣払いと周辺のお掃除を行いました。
<煙室内のお掃除>

 午前中は、煙室内のお掃除をしました。扉は資料を見ながら開けました。扉の縁のアスベストも除去されたそうです。
 初めて見た煙室内、石炭カスがたくさん溜まっておりました。ヘラと箒、塵取り(スコップでは追いつかず)にて扉手前の溜まっているカスを集め、足元を綺麗にして煙室内の中へ入りました。
 鉄部分(?)にこびりついているカスの塊をヘラで落としましたが、この時に落とし過ぎてしまい、白いものが見えてしまいました(ゴメンナサイ)
 エアコンの噴出し口(?)みたいな所へ箒を入れましたら、ザーッと白い砂が大量に落ちてきましたので、出来る限り全部落としました。更にその奥へ体を小さく丸めて入り、蜂の巣みたいな所(?)穴の間の隙間に箒を入れましたら、こびりついていたカスがボロボロと落ちてきました(ひとつひとつの穴の中までは綺麗に出来ませんでした)。
 これだけで大量のカスと砂が集まりました。
 持参したビニール袋では小さくすぐに破けてしまいます。店は遠く、近くのはた乃食堂さんへお願いして大きな黒いビニール袋を頂戴しました。それもすぐに破けてしまいしました。またもお願いして今度は粉が入っていた大きな袋を頂戴しましたが、持ち上げた時に重く持て余してしまいすぐに破いてしまいました。
 結局、私の力ではどうにも出来ず、やまてつさんへ助けを求めて煙室内の中へ置いて来ました。【引継ぎお願いします】袋は全部破けておりますのでご注意願います。
 扉の蓋は閉まりましたが、ハンドルが硬く一向に動いてくれずに鎖にて止めました。
<窓拭き>
 午後からは、クレポリメイドにて窓拭き。
 運転室右側の窓は取り外して両面拭きました。
 左側の窓はキツク取り外しが出来ませんでした。外側は手の届く範囲で拭きました。窓には塗装した際の気にならないほどの小さな霧状のペンキが残っており、ゴシゴシ拭きましたが落ちませんでした。何で落としたら宜しかったのでしょうか?

<ピカール磨き>
 その後は、ピカールにて運転室中央の蛇口みたいな所(?)真ちゅうを磨きました。
 ここは要望があった箇所です。真ちゅう部分は、ピカピカになることを期待してゴシゴシひとつひとつを丁寧に磨きましたが、思っていたよりも難しいと思いました。
 ピカールを床に溢してしまい、ついでに蓋になっている鉄板部分を磨いたら逆に汚してしまったようです。接続部の床も溢して汚れてしまいました。(ゴメンナサイ)
 最後は、運手室内、右奥扉の手前の側面箇所、錆が出て塗装が剥れ掛けていましたので、塗装してもらえるように錆落しをしました。【宜しくお願いします】
 炭水車内は綺麗でした。網が張られていたため、入ることが出来ませんでした。
<感想>
 綺麗にしたいと思うとキリがなく、どんなに時間があっても足りませんでした。自分の感覚だけで行いましたが、もっと色んな工具を使いこなし、作業の知識があれば良かったのにな・・・今度、色々と教えて下さい。
 日が沈む頃、低い光線に照らされて一番美しい姿を見せてくれる瞬間、自分の好きな角度に拘り、疲れを吹っ飛ばしてくれるほどに輝いてくれる、この瞬間の時間が好きです。


三日目(9月25日(日) 快晴 気温21度
 最終日は、クモの巣払いと周辺のお掃除、線路内の草むしりなどを中心に行いました。昨日の煙室扉をチャレンジしましたが、やはり硬くて私の言う事を聞いてくれません。
 担当者の方へお願いしました。やり残したところはなかったのか?と心配もありましたが、ゴミなどを片付け作業終了しました。
 昨日今日と快晴のお天気でまさにお掃除日和の中、後ろ髪を引かれながら「また来るからね、それまで頑張って寒い冬を乗り越えるんだよ」と声を掛けました。その時、私の心の中で汽笛が聞こえたような気がしました。

 SL広場を後にレンタサイクルでバスターミナルへ向かいました。 3日間お借りしたレンタサイクル、5段ギア付きです。紋別市内を競輪選手のようにペダルを踏み、グルグル走り回りお世話になりました。
 市立博物館へ寄り、お掃除の報告とお願い箇所を伝えて鍵をお返ししました。そして、ガリンコ掲示板の復活と上屋(しつこいようですが)お願いしました。紋別市内のナナカマドの紅葉が始まり秋を感じました。山で見るよりも新鮮で赤い実がとても可愛い。
<今回の感想>
 今も目をつぶると「69644」の姿が瞼に浮かびます。機関車と共に過ごした3日間、可愛くて、愛しく、愛着が沸きました。作業中に「ご苦労様、ありがとう」とお声を掛けてくれる人がいて、そして陰で私を支えてくれる人がいてくれて、一人で作業しているようで一人じゃないんだな、と身に沁みて感じました。人の優しさも感じました。微力ではありますが、貴重な体験をさせて頂きました。色々とご面倒、ご迷惑、ご心配をお掛けしましたことを心から感謝申し上げます。
 紋別市立博物館の方々、お世話になった方々、HPご覧の皆様へ心から厚く御礼申し上げます。長々と読んで頂きありがとうございます。

いつまでも皆様に可愛がってもらえる機関車でありますように!!